銀行カードローンと消費者金融カードローンの違い

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最近はテレビでカードローンのCMを多く目にするようになりました。申込みから最短30分で審査終了、他社よりも低い金利で借りられる、銀行でもコンビニでも、手数料を気にせずに借入や返済ができるなど、アピールされているポイントも様々です。

これらのCMで目にするカードローンは大きく分けて2つ、消費者金融と銀行カードローンがあります。業者の種類によって分けられているのですが、実はそれぞれ異なるメリットとデメリットがあり、新たに申し込むに当たっては自分の借入目的や使い方に合わせて選択をすることが大切なのです。

そこで今回は、消費者金融と銀行カードローン、それぞれのメリットとデメリットについてご紹介します。

銀行と消費者金融、どちらがおすすめ?


消費者金融と銀行カードローンでは同じカードローンでも多くの違いがあります。一番大きな違いは「総量規制」と呼ばれる法規制によって、借入の出来る限度額が異なる点です。これについては後ほど詳しくご紹介しますが、その他にも利便性や審査の厳しさ、申込みから審査完了までの時間など様々な違いがあります。

まずはそれぞれのメリットとデメリットを、順に見ていきましょう。

消費者金融(プロミス、アイフル、アコムなど)のメリット

サービスが充実している

消費者金融では銀行カードローンと比べて使い勝手が優れている点がまず第一のメリットです。例えば借入時、駅前の雑居ビルに設けられている自前のATMコーナーはもちろん、コンビニや銀行などのATMでも手数料無料で利用ができるところが大半です。

それに加えて、自分の銀行口座へお金を振り込んでくれる振込融資を提供していることも特徴です。これを使えば、場所とタイミングを選ばずにお金を借りることが出来、家賃や公共料金の引き落とし前日などにはとても便利ですよね。さらにこの振込融資、ホームページ上で操作をすれば1円単位で借りられるところが大半であり、銀行の営業時間外でも即時に振込が行われる点も魅力です。

このように、消費者金融では優良顧客を囲い込むために利便性の向上に日々努めています。競争する業者にとってはなんとも大変なものですが……私たち利用者にとっては、ありがたいものですね。

審査スピードが早い

新たにカードローンを申し込む際、どうしても不安を隠せず憂鬱になりがちなのが、審査待ちの時間です。今の勤め先での勤続年数や収入、他社の借入件数や金額などがいくら心配の要らない水準であっても、審査中の間は誰だって不安になってしまうのはやむ無しでしょう。

大手の消費者金融では現在、この審査待ちの時間を可能な限り短くすることに挑戦しています。かといって何も調べないでカードをポンポン発行するわけではありません。そんなことをしたら、お金を返してくれない人まで顧客にしてしまい、後々大きな損をしてしまうことにつながりますからね。

審査のスピードを早められる秘密は、これまでの長年に渡って蓄積された審査ノウハウにあります。もう何十年も貸金業を営んでいる業者の場合、どんな属性のお客さんならちゃんとお金を借り、決められた期日に返してくれるのかを高い精度で把握・予測することができます。これによって審査に要する時間を短縮し、最短30分で審査結果を案内出来る業者もあるほどです。

不安を隠せない審査時間が少しでも短くなれば、その短さと速さに魅力を感じた人が新たなお客さんになってくれる可能性もあります。これが審査時間の短縮に精を出す業者の狙いでもあるのです。

消費者金融のデメリット

総量規制のため、年収の1/3までしか借りることが出来ない

消費者金融の最大のデメリットが、この「総量規制」です。これは貸金業者(消費者金融・信販会社・クレジットカード会社など)に適用される法規制のひとつで、簡単に言うと貸金業者は年収の1/3以上の融資を行ってはいけないといった決まりです。

この総量規制が施行される前は、業者の裁量によって自由に各々の利用限度額が決められていました。しかし返済能力以上にお金を貸し出す業者が多いことが問題視され、2007年にこの規制が課せられるようになったのです。これとあわせて上限金利が設定されたことで、私たちにもメリットがある規制ではありますが……多額のお金を必要としている時には足かせとなってしまうことが否めません。

金利は総じて高い

このあとご紹介する銀行カードローンは、低利かつ豊富な預金を貸出の元手資金として用いています。しかし消費者金融はこうした預金などの資金がないことに加え、サービスの充実にもコストがかかっていることから金利が高くなる傾向があります。

少額で短い期間の利用であればあまり大きな負担にはなりませんが、借りる金額が大きくなるとそれに比例して利息負担も重くなってしまいます。

銀行カードローン(バンクイック、三井住友銀行カードローンなど)のメリット

低金利で借りることが出来る

前述の通り、銀行カードローンで貸し出される資金は豊富な銀行預金を用いています。ご存知の通り、銀行預金は雀の涙ほどの利息しかつきません。これは銀行に視点を移すと、安い金利で沢山のお金を集められるということです。その結果消費者金融よりも低い金利でお金を貸しても十分に儲けることが出来るのです。

低金利は多くの顧客を集めるきっかけにもなるため、銀行としてもなるべく消費者金融より低い金利を掲げたい考えがあります。これにより銀行カードローンでは消費者金融よりも低い金利でお金を借りることが出来ます。

総量規制対象外のため、多額を借りることが出来る

年収の1/3以上の融資を行えない総量規制ですが、実は銀行はこの規制の対象ではありません。なぜなら、総量規制の対象はあくまで消費者金融やクレジットカード会社、信販会社などの「貸金業者」だからです。

銀行も確かにお金を貸すことが主な仕事のひとつですが、貸金業者には含まれていません。そのため、銀行カードローンには融資額の規制は一切設けられていないのです。もちろん融資額は各行の審査によって決められるため、無限に借りられるというわけではありません。しかし勤続年数や年収などが各行の基準を上回っていて、多額の限度額を設定しても問題ないと見なされた場合には、年収の1/3以上の多額のお金を借りることが出来ます。

銀行カードローンのデメリット

審査が厳しい

金利が低く、多くのお金を借りられる。一見すると良いこと尽くしのように見えますが、銀行カードローンはこれらの魅力的なメリットがある一方で審査が厳しいデメリットがあります。

金利が低いもう1つの理由として、貸し倒れ率の低さがあります。消費者金融は銀行と比べて審査のハードルが低い、期日通りの返済が行われなかったり、債務整理によって貸し出したお金が戻ってこないことも多くあります。高金利の裏には、こうした戻ってこないお金の存在も含まれているのです。

一方、銀行の場合は、審査基準を厳しくすることによってこの貸し倒れの発生する可能性を抑えています。厳しい審査では利用客の数が減ってしまうデメリットは否めません。しかしその代わり、貸し倒れの起こる可能性も低く抑えることが出来ます。そのため、銀行は低金利の代わりに厳しい審査ハードルを設けているのです。

使い勝手は消費者金融と比べると今ひとつ

あくまで消費者金融と比較した場合ですが、カードローンとしての使い勝手は消費者金融と比べてやや劣ってしまうデメリットがあります。例えば申込み審査はハードルが高いこともあり、どうしてもある程度の時間を要します。

また振込による融資・返済も多くの銀行カードローンでは対応しているのですが……正直、あまり使い勝手の良いものではありません。借入時には1万円単位でしか金額を選べず、返済が反映されるのは翌営業日になることもしばしば。会員向けのWEBサイトの使い心地も、消費者金融と比べるとどうしても見劣りしてしまいます。

選ぶならどちらがいい?

さて、ここで一旦消費者金融と銀行カードローンの特徴を表でおさらいしていきましょう。

  金利 利用限度額 使い勝手 審査難易度
消費者金融 高い 年収の1/3まで 利便性抜群 普通
銀行カードローン やや低い 年収1/3以上も可 必要最低限 厳しい

こうして見てみると、両者の特徴が浮き彫りになってきますね。

消費者金融では金利が高く限度額が少ないデメリットがある一方、使い勝手に優れていて誰でも使いやすい特徴があります。他方の銀行カードローンでは低利・高限度額である代わり、使い勝手が今ひとつで、審査も厳しいことが難点です。

このうちどちらがいいのかは利用目的によりますが、必要な金額がさほど高額でなければ消費者金融を使うことがオススメです。少額であればたとえ金利が少し高くてもそれほど大きな負担にならず、優れた使い勝手のメリットの多い選択肢になってくれるからです。

一方、高額の借入を検討している方や低金利にこだわる方には銀行カードローンが適しています。

また「必要な時にお金を借りられるのなら、それで十分!」

そう考える方にとっては使い勝手が今ひとつであるところも何らデメリットではないでしょう。単にお金を借りる・返すといった点だけであれば何ら不満を感じるものではありませんからね。

金利と限度額、使い勝手と審査難易度、どちらにこだわるかによって消費者金融と銀行カードローンを選べば、それぞれの利点を最大限に享受することが出来るでしょう。

まとめ

消費者金融と銀行カードローンの違いについてご紹介いたしました。最近は消費者金融が軒並み大手都市銀行の傘下に入ったこともあり、どのカードローンを選べばいいのかわかりにくくなってしまった方は多いのではないでしょうか。金利や具体的なサービス内容も各社微妙に異なっており、正直、WEBサイトや店頭資料を読めば読むほどますますわからなくなってしまうこともあります。

後半でご紹介した通り、借りたい金額が高額でなければ消費者金融のカードローンを選ぶことが一番です。銀行カードローンの好条件も確かに魅力的ではありますが、それに惹かれて申し込んでも、審査落ちになってしまっては元も子もありませんからね。それよりは速やかに審査が進み、借入・返済のいずれも便利に使える消費者金融に軍配が上がります。

焦って申込みをしてしまう前に、まずはいくら必要なのかを確認する。これによってあなたにとって最適なカードローンを選ぶことが出来るでしょう。

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クレぽん。編集部

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