おまとめローンとは何?賢い利用法とおすすめ会社を検証
「複数の借金をまとめて完済しましょう!」などの文言で、消費者金融や銀行で「おまとめローン」を宣伝していることがあります。
おまとめローン用として、一般のカードローンとは別に商品を用意しているケースもありますし、一般のカードローンを「おまとめローンとしても利用可能」と謳っているケースもあります。
おまとめローンをうまく利用することで、返済回数と支払利息を減らすことができます。ただし、おまとめローンを過信してしまうとむしろ支払総額が膨らんでしまうケースもあるのです。
それを防ぐためには、おまとめローンの中身を知って賢く利用できる条件を頭に入れておく必要があります。そこで、今回の記事では、おまとめローンの概要とメリット・デメリットについてご説明します。
おまとめローンの概要
おまとめローンとは、複数抱えているローンを一本化し、返済しやすくすることで完済を進めるためのローンです。
まず、おまとめローンとは何なのかご説明します。
債務一本化で返済回数と金利を減らす
複数の債務を一本化することで、返済回数を減らせます。
単純な話ですが、仮に3社から借り入れを行っている場合返済回数は月に3回となります。これを一本化することで、返済日は月に1回になります。
また、支払う金利が減る可能性もあります。
借入金額が少ないと上限金利が高くなりがちなので、少額ずつ複数の会社からお金を借りるより、一社からまとめて借り入れた方が低金利になりやすいのです。
おまとめローン専用商品も
一般のカードローンより金利の低いおまとめローン専用商品を設けているカードローン会社もあります。
例えば、アイフルの一般のカードローンの上限金利は18.0%なのに対し、「おまとめMAX」というおまとめローン用の商品の上限金利は15.0%です。
この金利差を利用することで、支払総額を減らせる可能性が出てくるわけです。
おまとめローンは総量規制対象外
消費者金融のような貸金業者には「総量規制」というルールがあるのですが、おまとめローンはその対象外となります。
総量規制とは、年収の3分の1以上の貸付を禁止するというルールです。例えば年収が300万円であれば、100万円以上は借りることができません。
利用者が多重債務に陥るリスクを予防するためのルールで、大変重要なものではあるのですが、大きな金額を借り入れてローンの返済に充てるようなことができないと問題があります。
しかし、おまとめローンは総量規制の対象外です。そのため、年収300万円の人の借金が総額100万円以上になってしまっている場合でも、おまとめローンを利用して完済を目指すことができます。
おまとめローンのメリット
おまとめローンのメリットをご説明します。ローンを一本化することで、どのようにお得になるかを見てみます。
返済回数が減る
先ほどもご説明しましたが、ローンを一本化することで一月の返済回数を1回に減らすことができます。返済金額に違いがなくても、「お金を返さなくてはならない」というプレッシャーのある日を減らすことで、精神的に楽になります。
ローン一本化で金利が下がる
ローンを一つにまとめることで、金利を下げられる可能性があります。
例えば、アコムの金利は以下のようになっています。
契約限度額 | 金利 |
1~99万円 | 7.7~18.0% |
100~300万円 | 7.7~15.0% |
301~500万円 | 4.7~7.7% |
501~800万円 | 3.0~4.8% |
100万円未満の借入ですと、他の消費者金融でも18.0%ほどの上限金利に設定されています。
合計100万円以上の借金を抱えていたとすると、アコムに一本化することで金利が18.0%ほどから最高でも15.0%へ下がります。
おまとめローンの審査は?
おまとめローンは一般のローンと異なり総量規制の対象外ではあるのですが、審査は一般のローンとあまり変わりません。
ただし、一般のローンの場合は他に借入があると審査に影響するのに対し、おまとめローンでは他に借入があることが大前提であるため、あまり影響しない可能性が高いです。
詳しくは以下のページで説明しておりますので、参照してください。
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おまとめローンの注意点
メリットのあるおまとめローンですが、注意点もあります。
おまとめローンは借金を一本化するだけで、借金を減らすわけではないのがポイントです。
借金が減るわけではない
おまとめローンは借金を減らしません。
例えば、消費者金融大手3社のプロミス・アコム・アイフルから50万円ずつ借りたとします。最少返済額や利息総額は以下の通りです。
借入額 | 金利 | 最少返済額 | 返済総額 | |
プロミス | 50万円 | 17.8% | 13000円 | 746160円 |
アコム | 50万円 | 18.0% | 15000円 | 698327円 |
アイフル | 50万円 | 18.0% | 15000円 | 750686円 |
合計 | 150万円 | 43000円 | 2195173円 |
これを一本化しても、借入額150万円は変わりません。毎月の返済が一回になるのですが、借金は同じです。
言われてみると当たり前ではあるのですが、残念ながらおまとめローンによって月々の返済回数が減り、一回当たりの返済額が少なくなったことで借金が目減りしたかのような感覚に陥ることがあります。
支払利息がかさむケース
上限金利が下がり、一回当たりの返済額が下がるにもかかわらず、おまとめローンによって合計返済額が増えてしまうケースがあります。
一回当たりの返済額が減り、返済期間が長期化することで、利息の合計がかさんでしまうのです。
例えば、アイフルに金利15.0%でまとめることを考えたとします。
金利が3.0%ほど減りますから借金の返済が楽になったように見えるのですが、具体的な結果は以下の通りです。
借入額 | 金利 | 最少返済額 | 返済総額 | |
アイフルおまとめローン | 150万円 | 15.0% | 31000円 | 2316918円 |
一回当たりの返済額は31000円へと12000円も下がったのですが、逆に返済総額は120000円ほど増えてしまいました。おまとめローンで借金は減らないどころか、総額は増えてしまう点に注意が必要です。
全額借り換えできないケース
おまとめローンでも審査のプロセスはありますので、その結果次第では希望金額ほど借りられないということも考えられます。
おまとめローンでは、一般のカードローンよりも借入金額が大きくなりがちです。返済の滞納や債務整理などネガティブな信用情報が残っていると、おまとめローンの辛酸にも影響します。
悪徳業者に注意
おまとめローンをめぐって「実績詐欺」と呼ばれる犯罪行為を行う悪徳業者がいるんで注意が必要です。
これは、メールや電話などで多重債務のおまとめローンを勧誘したあとに、「実績」を作るための借入を指示するものです。
「おまとめローンの融資をするためには、借入の実績が必要。大手の消費者金融から融資を受けるための申込をして、お金をウチの口座へ振り込んでください。その後で実績をチェックしておまとめローンの融資を行います」と言いくるめてお金を送らせ、その後で姿を消すというパターンが多いとされています。
一般のローンも同じですが、金額が大きくなりがちなおまとめローンは特に、名も知らない業者で利用するのは避けた方が無難でしょう。
おまとめローンの使えるカードローン
大手であればどの会社でも一般のローンをおまとめローンとして利用することは可能です。ただし、ここではいくつか代表的な会社をご紹介します。
消費者金融カードローン
まず、消費者金融のおまとめローンをご紹介します。できれば、一般ローンとは異なるおまとめローン用の商品を用意している消費者金融を選ぶと、金利を下げられる可能性が高いです。
アイフルの「おまとめMAX」で金利を下げる
アイフルのキャッシングローンの金利は4.5~18.0%ですが、おまとめMAXの金利は12.0~15.0%です。最高金利が低くなるので、返済が楽になる可能性があります。
おまとめローンに積極的なプロミス
プロミスはおまとめローン用の商品を設定しているわけではありませんが、ホームページでおまとめローンの利用を積極的にアピールしている(http://cyber.promise.co.jp/Pcmain/APD67Control/APD67008)消費者金融です。
おまとめローンを利用することで、月々の返済回数を一回にまとめられることに加えて、返済計画について相談に乗ってくれるメリットもあります。
銀行カードローン
おまとめローンの使える銀行カードローンについては、以下のページで説明しておりますので参照してください。
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まとめ
おまとめローンを使うことで、月々の返済回数と一回当たりの返済額を減らすことができます。ただし借金自体が減るわけではなく、一回当たりの返済額が減って返済期間が長期化し、結果として返済総額が膨らむこともあります。
おまとめローンは返せない借金を返すための「一発逆転」のツールではなく、あくまで返しやすくするだけです。
もし借金が返しきれないのであれば、弁護士など専門家に債務整理などを相談するようにしましょう。